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放射線治療

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放射線治療って何ですか。
手術、化学療法と並ぶがん治療の3本柱のひとつで、放射線療法には体の外から放射線を照射する外照射(リニアックという治療装置が主流)と、放射線を出す小さな線源を病巣付近に入れて体の中から照射する内部照射があります。手術をすれば傷跡が残り、身体の形や機能が損なわれるような場合でも、放射線療法では切らずにがんを治療することが可能です。近年では、腫瘍に放射線を集中して照射する治療方法(定位照射や強度変調放射線治療など)も可能となり、さらに副作用が少なくなっています。
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なぜ放射線治療でがんが治るのですか。
放射線は、細胞のDNAに直接的または間接的に作用して細胞が分裂する能力をなくしたり、細胞が自ら死んでいく過程であるアポトーシスという現象を引き起こすことにより、がん細胞を死に至らしめます。放射線はがん細胞だけでなく正常細胞にも作用しますが、正常細胞はがん細胞よりは障害の程度が軽く、放射線照射前の状態に回復することがほとんどです。また、正常組織にはなるべく多くかからないように照射しますので、副作用は許容できる範囲に抑えられます。
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手術療法との違いは何ですか。
手術と異なり、身体に傷を付けることなく治療が可能です。放射線をあてても、患者さんは痛みや熱さなどを感じることは無く、手術の様に麻酔をかける必要もありません。治療後も臓器の機能・形が維持されることが多い為、患者さんの身体への負担も少なくすることが可能であり、日常生活に近い状態で過ごすことが出来ます。また、体への負担が少ないので御高齢の方、合併症があって手術が受けられない方でも治療できることが多いのが特徴です。
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どの様に治療するのですか。
通常外照射
まず、治療計画のためCTを撮像し、その画像を元に専用のコンピュータを用いて治療する部位・照射方法・1回に照射する放射線の量、照射回数などを決定します。後日、その計画に合わせて実際に治療を行います。1回の治療自体は通常数分(特殊な治療で数十分)で終了し、照射中に痛みや熱いなどの自覚症状はまったくありません。0歳のお子さまから90歳以上の高齢の方でも、ベッド上で安静が保てれば誰でも治療を受けることが可能です。また、通常の放射線治療は10〜40回必要です。治療の回数は病状・部位、治療の目的などによって異なります。後述するように1回〜数回で治療を行う特殊な治療(定位照射)という方法もあります。土日・祝日を除いて毎日行います。毎日同じ場所に精密に照射するために特別なマスクや装具を使うこともありますが、痛くはありません。長期間の通院が困難な場合には当科に入院しての治療も可能です。
一般に直線加速器(リニアック・ライナック)から発生する高エネルギーX線や電子線を用いて治療します。以前はコバルト60遠隔治療装置も用いられていましたが、エネルギー不足や精密な照射が行えないので、最近では使用されません。

高精度放射線外部照射・・・定位照射(ピンポイント照射)、強度変調放射線治療(IMRT)
定位照射とは直線加速器(リニアック・ライナック)を用いた照射方法の一つであり、病変の形状に合わせて放射線を集中的に照射することで周辺の正常組織に対する障害を最小限に抑えることができます。これにより従来手術で摘出されていた脳腫瘍や早期の肺癌などを治療することが可能です。すなわち、年齢や体力的な問題で手術が不可能だった患者さんでも手術と同様の治療を受けることが可能となります(ただし、病変が3〜4cm程度のものが対象となり、それ以上の場合は通常照射で治療します)。なお、定位照射はすでに保健適応になっており、転移性脳腫瘍などでは手術よりも、この方法による治療が主流となっていますし、体幹部の腫瘍(例えば肺癌)に対しても、早期の肺癌などで、手術と同等の成績が報告されています。
強度変調放射線治療は、多方向から照射するだけでなく、各方向で場所により線量の強弱をつけることにより治療すべき病変に線量を集中し、近接する正常組織へ照射される放射線の量をさらに少なくすることにより、治療効果をさらに高め、副作用を軽くする照射技術です。

内部照射
放射線の出る素(線源)を病変の近くに留置したチューブ内に挿入したり(腔内照射:くうないしょうしゃ)、直接病変に埋め込むこと(組織内照射:そしきないしょうしゃ)で、病変に対して放射線を当てる治療です。この治療は、病巣のみに限って放射線を当てる治療であり、周りの正常部への放射線の量を非常に少なく抑えることができる治療法です。当院では、時間当たりに出る放射線の量の多い線源と少ない線源の使用が可能です。前者は、時間当たりの放射線の量が多いため、治療時間が短くて済みます。後者は、治療時間は長くはなりますが、体に優しいといった利点があります。両者とも治療効果に大きな差はありませんが、疾患により行い分けています。
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放射線治療の効果が高いがんは何ですか。
放射線治療はほとんどすべての固形癌(脳腫瘍、乳癌、子宮頚癌、喉頭癌、肺癌、膵臓癌、前立腺癌、皮膚癌、脊椎腫瘍、胃癌、子宮体癌、軟部組織肉腫を含む)で行われます。放射線治療は白血病とリンパ腫(それぞれ血液を産生する細胞、リンパ組織の癌)の治療でも用いられる場合があります。
頭頸部がん、食道がん、乳がん、前立腺がん、子宮頸がん、肺がんなどで特に有効です。
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放射線治療の副作用にはどんなものがありますか。
放射線の副作用には、放射線治療している期間における早期の副作用(急性反応)と、放射線治療終了後しばらくして生じる後期の副作用(晩発性副作用)があります。一般に早期の反応は、実質細胞組織の放射線に対する直接的反応であり、後期の反応は毛細血管や間質結合組織の障害と考えられます。早期の反応は局所反応と全身反応に分けられ、局所反応には照射部位の皮膚炎や粘膜炎などが含まれます。全身反応としては、軽度の吐き気や食欲不振、倦怠感などが見られることがあります。白血球や血小板などの低下も軽度みられることがありますが、骨髄移植前に行われる全身照射など特殊な治療を除いて化学療法などに比べて極めて軽度です。後期の反応で問題になるのは局所に限られます。急性反応は一時的なもので、大半の症状は強くありません。症状が強い時には薬を飲んだりあるいは吸入することにより改善します。大事なことは、放射線治療がなされている部位のみに副作用が生じ、照射されていない部位には影響しないことです。従って、例えば口腔内に放射線治療をなされても下痢は発生しません。よって、副作用は、放射線治療を行う場所によって異なりますので、治療前に十分な説明を受けてください。また、外照射を受けることにより患者さん自身が放射能をもち、例えば家族に影響があるなどということはありません。近年はコンピュータの利用により放射線治療全体のシステムが確立され、より精度の高い再現性のある照射が可能になってきました。この事は局所制御率の向上のみならず放射線による副作用や障害の激減につながっています。
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外来通院しながら放射線治療を受けることはできますか。
放射線治療1回の照射にかかる時間は、1〜2分です。照射室に入って、位置をあわせる時間を含めても10分程度で終わります。そのため、外来診療で放射線治療を受けることができますが、化学療法(抗がん剤)と放射線療法を組み合わせて行う場合には、身体への負担が大きくなるため、入院を必要とすることがあります。多くの疾患で外来治療が可能ですので、現在のご病気で通院治療が可能かどうかについては、治療開始前に、担当されている放射線腫瘍医にご相談下さい。
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同じ臓器に放射線治療は1回しか行わないと聞きましたが、何故でしょうか。
同じ臓器でも以前治療した部分と場所が異なれば放射線治療ができることが多いです。ただ、以前に放射線治療を行った同じ臓器の同じ場所に再度放射線治療を行う場合には、将来的な晩発性の放射線障害の危険が高くなりますので、同一臓器の同一部位への再度の放射線治療については積極的には行われません。最終的には、他治療法の有無、その臓器の機能・特性を、臓器の中での治療部位、再治療を行った場合のメリットなどを総合的に判断して適応を決められます。
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