九州大学病院のがん診療

腎がん

外科的治療

腎がんの治療の基本は手術療法によるがんの摘出であり、治療法の選択においても手術療法が中心になります。九州大学病院泌尿器科では手術適応を含めて、それぞれの状況に応じた適切な治療法を選択して治療を行っています。

手術においては、従来の開腹による根治的腎摘除術に加えて、1999年から腹腔鏡を用いた根治的腎摘除術を積極的に行っています。低侵襲という点においては開放手術に比べて勝っており、安全性、有効性についても問題ないことが示されています。当科における臨床病期T1の腎がん(径7cm以下の転移のない腎がん)では、術後の長期成績においても、腹腔鏡を用いた手術は従来の開腹術と比べて全く遜色ないことが示されています。

手術法における最近の動向として、腎温存術(腎部分切除術)の導入があります。小径のがんであれば腎温存術を行っても良好な長期予後が得られることが報告されたため、当科でも2000年以降、積極的に行ってきました。近年では、手術支援ロボット‟ダビンチ”の導入により、ロボット支援による腎部分切除術が増加しています。

用語解説

低侵襲 : 身体にかかる負担が少ない
病期 : 疾病の経過をその特徴によって区分した時期