九州大学病院のがん診療

皮膚がん

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はじめに

皮膚がんは、社会の高齢化とともに近年増加傾向にあります。全身を覆っている皮膚/粘膜のすべての部位から皮膚がんは発生します。皮膚は目で見える場所ですので、皮膚がんは早期発見、早期治療が可能ながんであるともいえます。ただし皮膚がんの種類や進行の程度によっては、命に関わるような重篤な場合もありますので、時々は自分の全身をチェックすることが大切です。だれの皮膚にもシミやほくろ、イボなどはありますが、急に大きくなったり、色が変わったり、潰瘍ができたりといった変化がもしあれば、皮膚がんの可能性もありますので、皮膚科専門医の受診をお勧めします。

皮膚がんには後述するように様々な種類があり、治療方針もそれぞれ異なります。日本皮膚科学会、日本癌治療学会のホームページから、皮膚がんの診断・治療の手順、各種治療法の推奨度などが記載された「皮膚悪性腫瘍診療ガイドライン」を閲覧することができます。九州大学では、このガイドラインに沿った診断・治療を行っています。

http://www.dermatol.or.jp/medical/guideline/skincancer/index.html

皮膚がんの種類

基底細胞癌
最も多い皮膚がんです。高齢者の顔面に、黒い透明感のある小さなイボのような病変として認められることが多いです。基底細胞がんはほとんど転移することはありませんが、再発することがあるため、十分な範囲の切除を行うことが重要です。

有棘細胞癌
2番目に多い皮膚がんです。長年紫外線を浴びてきた顔面や手背などに発生することが多く、かさぶたのついた紅斑(日光角化症:前癌病変)が先に生じ、そこから癌へ進行します。また熱傷のあとの瘢痕から発生することもあります。以前はすぐ治っていた瘢痕上の傷が、治りにくくなった場合は癌化の可能性があります。

悪性黒色腫
日本人の場合、年間10万人に1.5人程度の発症数といわれており、半数の症例で足の裏に生じます。足の裏に小児期になかったホクロが生じれば注意が必要です。早期に発見し、切除を中心とした適切な治療を行うことが重要です。近年新しい治療薬が開発され、進行例での治療の可能性が広がりつつあります。

その他の皮膚がん
乳房外パジェット病は外陰部に生じ、早期では湿疹やたむしと間違えることがあります。高齢者の頭部に生じる血管肉腫は、けがに続発することが多く、非常に予後の悪い皮膚がんです。頭部のけがが治りにくく、皮下出血のような紅斑が広がる場合は注意が必要です。メルケル細胞癌は、高齢者の頬部に紅色の腫瘤を形成することが多く、予後の悪い皮膚がんです。菌状息肉症は、緩徐に進行する皮膚の悪性リンパ腫で、紫外線療法で治療します。早期は湿疹や、アトピー性皮膚炎と間違えることがあります。

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