>がんに関するQ&A

婦人科がん

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子宮がんの検診は、どうしたら受けられますか。
検診は症状がない患者さんに行われるものですから、人間ドックと同様に保険のきかない私費診療となります。九州大学病院の婦人科は、特定機能病院として検診で異常がみられた患者さんの精密検査を取り扱うため、ドック検診や自治体の集団検診もしくは一般の診療所で検診を受けてください。老人保健法事業による子宮がん検診に対し、福岡市では2年に1回、助成金を支給しています。
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子宮がんの症状はどのようなものでしょうか。
子宮がんには、子宮の入り口に出来る子宮頸がんと、奥の体部に出来る子宮体がんがあります。子宮頸がんも体がんも、症状は不正性器出血(月経以外の出血)がもっとも多く、特に閉経後の出血は注意が必要です。子宮頸がんは性交時に出血しやすくなります。おりものが増えることもあり、おりものに混じるくらいの少量の出血でも病院で診察を受けることをお勧めします。進行がんでは下腹部痛、腰痛や血尿、血便、排尿痛が現れることがあります。
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子宮頸部円錐切除術について教えてください。
子宮がん検診で異常が検出された際には、拡大鏡検査や組織診などが精密検査として行われます。これらの検査を行っても病状の詳細が不明瞭な場合(病巣の発生部位が頸管の奥に存在している場合など)は、子宮頸部を円錐形に切り取る円錐切除術を施行します。円錐切除術は頸部の組織を大きく切除可能なため、より的確な診断に帰結します。円錐切除術後の病理診断を確認し、治療法の立案が行われます。
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子宮がんにはどのような治療方法がありますか。
子宮がんは子宮頸がんと子宮体がんに分類されそれぞれ治療内容が異なりますが、手術、放射線、化学(薬物)療法が主体となります。治療前に病気の進行状態を確認し、最良と考えられる治療法を選択します。治療の際には、1種類のみの治療法が行われることもあれば、複数の治療法を組み合わせて行うこともあります。
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子宮がんの手術方法について教えてください。
子宮頸がんの手術は、腟の一部や骨盤壁近くまでの靭帯をつけて子宮を広範囲に摘出する広汎子宮全摘出術と骨盤リンパ節郭清が主に行われます。卵巣も一緒に切除する場合が多いですが、がんの組織型や進行期などにより卵巣を温存できる場合もあります。主な術後合併症としては、膀胱に向かう神経の一部が靭帯と一緒に摘出されるために起こる排尿障害がありますが、進行していない症例ではこの排尿に関する神経を温存しています。初期の頸がん(Ia1期)の場合には、そのような障害の起こらない単純子宮全摘出術を行うことが一般的です。当科では2005年から比較的初期の患者さんが将来の妊娠を希望した場合、妊孕性温存のために患部を切除後、残した子宮体部と腟とつなぐ広汎子宮頸部摘出術を臨床試験として行っています。また、病巣からのリンパ液が直接流れ込み、最初に転移しやすいと考えられるリンパ節(センチネルリンパ節)だけを手術中に摘出し、転移していないと診断された場合、それ以外のリンパ節を取らずにすませる手術臨床試験も行っています。子宮体がんに対する手術は頸がんのような靭帯は付けない単純子宮全摘出術と両側の卵巣・卵管(付属器)の摘出に加えて、多くの場合でリンパ節の切除を行います。病変が子宮頸部に及んでいる場合は頸がんと同じ広汎子宮全摘出術や排尿関連神経の損傷が少ない準広汎子宮全摘出術が行われることがあります。
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まだこどもがいないのですが、子宮頸がんで子宮を取る手術が必要と言われました。どうしたらよいのでしょうか。
非常に初期の子宮頸がんに関しては、円錐切除術で病巣が完全に摘出できた場合には、子宮温存が可能な場合もあります。しかしその後は慎重な経過観察が必要です。もう少し進んだ浸潤がんであっても比較的初期ならば、病変のある子宮頸部のみを摘出し残した子宮体部と腟とつなぐ子宮頸部摘出術を行っている施設もあります(当科を含む国内数施設)。しかし、さまざまな条件を満たす必要があり、子宮温存を希望する患者さんの全員に行えるものではありません。
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妊娠中なのですが、子宮頸がんと言われました。どうしたらよいのでしょうか。
上皮内がんであれば妊娠を継続し、分娩後に子宮頸部円錐切除術もしくはレーザー治療を受けることが可能ですが、妊娠中から分娩後まで慎重な経過観察が必要です。微小浸潤がんの場合は妊娠中でも原則として円錐切除術が必要ですが、その結果、子宮の温存が可能となった場合は慎重に経過をみながらの妊娠継続が可能です。それより進んだ浸潤がんの場合は子宮摘出が必要なので、赤ちゃんがすでに体外生活可能な妊娠週数まで来ている場合は、速やかに帝王切開を行い引き続き子宮摘出による根治術を行います。赤ちゃんがまだ体外生活できる週数に至っていない場合は、厳重な管理のもとにしばらく経過を観察し体外生活可能な週数に達した時点で帝王切開に引き続き子宮摘出を行える場合があります。しかし、あまりにも妊娠早期であったり、経過を観察している間に病状が悪化すれば妊娠継続をあきらめて子宮摘出を行う必要があります。
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子宮体がんの告知を受け手術を勧められました。将来妊娠・出産したいので子宮や卵巣を残したいのですが。
子宮体がんの治療は原則として子宮摘出ですが、早期でかつがん組織の顔つき(分化度)がおとなしい場合にのみ、子宮を取らずにホルモン療法が行われることがあります。黄体ホルモン剤を高用量で内服する治療を半年ほど続けますが、約半数ほどにがんの消失が期待でき将来的に妊娠、出産できた例もあります。ただし、ホルモン剤に反応しないがん病巣やいったん消失した後に再度、がん病巣が現れることもあります。このように危険を伴う治療であるため、担当の先生と充分相談された上で行うべき治療法と思われます。
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子宮がんの放射線治療について教えてください。
放射線療法とはX線やその他の放射線を用いてがん細胞を殺すか、またはおとなしくさせておく治療のことです。子宮頸がんにおいては、放射線療法は手術療法と並ぶ効果的な治療法です。治療は体の外から放射線を当てる外部照射と腟の中に線源を挿入して直接病巣に照射する腔内照射の併用で行われます。手術後に再発予防目的で外部照射や腔内照射が行われることもあります。1999年以降は、効果を強くする目的で従来の放射線療法に抗がん剤を併用した同時化学放射線療法が主体となりました。
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子宮がんの化学療法にはどのような方法がありますか。
化学療法とは、抗がん剤などの薬を用いてがん細胞を殺すか、または増殖をとめる薬物療法のことです。化学療法はがん組織の種類や広がりによって異なります。前の回答に記載した同時化学放射線療法以外に以下のような化学療法があります。
<全身化学療法>
もっとも多く行われる化学療法です。抗がん剤を静脈内に注入し、血流を通って全身のがん細胞に薬剤が効くことを期待した治療法です。当科では子宮がんが大きくそのままでは手術ができない例や、手術後に引き続き抗がん剤治療を要する場合や再発例などに対して行っています。当科は国内の婦人科がん専門施設による多施設共同臨床試験の中核施設として、最も効果的な抗がん剤やその組み合わせを見つける臨床試験(治験)に積極的に取り組んでいます。
<動注化学療法>
血管造影検査をしながら、がんを栄養としている動脈を見つけ、そこから多量の抗がん剤を直接病巣に投与する方法です。抗がん剤を高濃度に投与できる一方、全身に循環する抗がん剤が少なくて済むことから副作用が軽減できる利点があります。当科では腫瘍が大きくそのままでは手術が困難な例や放射線療法で効果を認めない例などに対して、放射線科と連携して行っています。
<がん休眠療法>
2005年から当科で行っている臨床試験です。進行あるいは再発した子宮頸がんの難治例に対して病巣の消失を目指すのではなく、がんの進行を食い止め(休眠)、がんと共存することで延命することを目標とした治療法です。患者さん一人一人の副作用に合わせて、抗がん剤の量を増減し体に優しく、がんと共存しながら長生きすることを目指します。
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子宮肉腫について教えてください。
子宮体部に発生するがんの仲間である子宮肉腫には複数の種類があります。この中で最も多いものが平滑筋肉腫です。子宮筋腫と鑑別を要しますが、急速にサイズが増大するため平滑筋肉腫と疑われることがあります。摘出して病理診断を行わなければ診断確定には至りませんが、MRI検査や採血検査を含めた諸検査を施行して治療法の立案を行っています。
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卵巣がんの検診は、どうしたら良いですか。
卵巣がんは簡便な検査による診断精度が高くないため、がん検診を施行したとしてもその死亡率が下がるというメリットがあるとは考えられず、老人保健法によるがん検診事業には組み込まれていません。ただし、最近の人間ドックでは婦人科内診に加えて超音波検査や腫瘍マーカーなどを行って、卵巣がんの検診を行っている施設もあります。そこで卵巣がんを疑うような異常がみられた場合は、婦人科がん専門病院へ紹介されることになります。
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卵巣がんの症状はどのようなものでしょうか。
卵巣がんは自覚症状が出にくい病気です。特に初期の卵巣がんでは少しぐらい卵巣が大きくなっても症状が出ることは稀ですし、痛みが出ることも滅多にありません。しかし、卵巣がんが大きく腫れたり、腹水が溜まってきたりすると様々な自覚症状が出てきます。その症状には、下腹部や腰・背中の痛み、腹部の腫瘤感や膨満感、頻尿・便秘、息切れ、下肢のむくみなどです。このような症状が出現するときは卵巣がんが原因でないか調べないといけないので、すみやかに産婦人科を受診して下さい。
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検診で卵巣に良性と思われるのう胞があると言われました。放置していて良いですか。
卵巣には色んな種類のできもの(腫瘍)ができます。単に水がたまって腫れているものを卵巣のう胞(卵巣のう腫)といい、一般的に良性のものがほとんどです。良性であれば手術をせずに放置していても命にはかかわりませんが、時々卵管の部分で卵巣のう胞がねじれて激痛が生じ、緊急手術を受けなければならない茎捻転という合併症を起こすことがあります。よって婦人科医による定期的な経過観察は必要です。一方、排卵などの影響で一時的に卵巣に水がたまることもあります。これは機能性卵巣のう胞といって、自然に消失することがほとんどです。
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卵巣がんの治療方法にはどのようなものがありますか。
手術と化学(薬物)療法が主な治療法です。一般的には先に手術を行い、がんの組織型や病巣の拡がりを確認した後に抗がん剤による化学療法を行います。化学療法に使用される抗がん剤は複数種類あり、がんの組織型や病状によって薬の種類を選びます。病状によっては化学療法を先に行った後に手術を行うこともあります。放射線治療は痛みを軽減させる目的で行われることがあります。
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卵巣がんの手術方法について教えてください。
卵巣がんの標準的術式は両側の卵巣・卵管(付属器)の摘出、子宮の摘出(単純子宮全摘出術)および大網切除術です。リンパ節の摘出や虫垂切除も併せて行うことが一般的です。また腹腔内に転移(腹膜播種といいます)がある場合は、できるだけ切除(場合によっては腸管を切除してでも)した方が、手術後の化学療法がよく効くといわれています。若い患者さんで将来の妊娠を強く希望される場合には、子宮と病気のない側の卵巣・卵管を残す試みを行います(妊孕性温存術式といいます)が、がんの種類が比較的おとなしく、かつがんが卵巣の外にまで拡がっていない場合しか安全とは言えません。
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卵巣がんの化学療法について教えてください。
卵巣がんは比較的抗がん剤が効く病気です。初回の治療では白金製剤(プラチナ製剤)にタキサン製剤を加えた2種類の抗がん剤を投与することが一般的ですが、特殊な組織型や再発の場合には別の種類の抗がん剤も含めた治療を行います。通常は手術を行ってから後に化学療法を行いますが、手術前に抗がん剤を投与し病巣を小さくしてから手術をすることもあります。当科は国内外の多施設による臨床試験(治験)の中核施設として、治療の難しい卵巣がんの患者さんに対する最善の化学療法を開発するための臨床試験(治験)に積極的に取り組んでいます。
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