九州大学病院のがん診療

腎盂尿管がん

放射線治療

放射線治療は放射線を患部に照射することによりがん細胞を傷害する治療法で、患者の負担が少ないやさしい治療法です。しかしながら、同時に正常な組織においても細胞障害は起こるため、放射線のエネルギーが正常組織に対して無視できない影響を与えると放射線障害と呼ばれる副作用を起こします。がんのコントロールのために必要な放射線のエネルギーは、それぞれのがんの感受性によって異なります。腎盂・尿管がんを含めた尿路上皮がんでは、この感受性があまり高くないため効果もそれほど期待できません。そのため、根治療法として第一に選択されることはありません。ただし、年齢や合併症などのために手術が難しい場合などでは放射線照射が行われることがあります。放射線治療の効果を高める目的で、化学療法を併用することもあります。また、転移巣に対して痛みの軽減や麻痺の回避などのために放射線照射が行われることがあります。

用語解説
化学療法 : 化学物質によってがんや細菌その他の病原体を殺すか、その発育を抑制して病気を治療する方法