九州大学病院のがん診療

原発不明がん

内科的治療

予後良好群と診断された場合、推定された原発腫瘍に対する標準治療を行うことが推奨されます。上記に該当しない予後不良群では内科的治療が主体となりますが、大規模な臨床試験の報告はなく、未だ標準療法は確立していません。これまでに行われたいくつかの小規模の臨床試験の結果から、予後不良群に対する経験的治療としてプラチナ製剤とタキサン系もしくはゲムシタビンなどの併用療法が施行されています。また上皮性の原発不明がんでは免疫チェックポイント阻害薬であるニボルマブが2022年より使用可能となりました。しかし、これらの内科的治療による延命効果があるのか、どの治療が最も適切か、については現時点では明らかではありません。
また、九州大学病院は新しい治療の研究開発にも積極的に取り組んでいます。採取したがん組織の遺伝子検査などの結果から、臨床試験などの研究的治療の対象となる場合には、主治医よりご説明いたします。

用語解説
免疫チェックポイント阻害薬 : 免疫療法のひとつ。がん細胞により抑制されていた免疫機能を活性化させる