九州大学病院のがん診療

造血器悪性腫瘍

はじめに

造血器悪性腫瘍とは、血液・骨髄・リンパ節・脾臓などが侵される血液細胞から発生するがんの総称で、白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫などがあります。血液細胞は血流やリンパ流に乗って全身を循環する性質があるため、早期から病気が全身に広がる傾向があります。この点は臓器に発生するがんが末期に転移をおこすのと対照的ですが、必ずしも悲観する必要はありません。薬物療法に用いる抗がん剤も血流やリンパ流を介して全身の病変に到達することが期待されるためです。造血器悪性腫瘍は数あるがんの中でも最も抗がん剤や放射線療法が有効で、治癒が期待できる代表的な疾患です。そのため正確に病気の広がりやリスクを診断して、一人一人の患者さんに最適な治療法を選択していきます。診断を告げられショックを受けたと思いますが、私たちは患者さんをしっかりと支援していきますので、治癒を目指した治療を一緒に頑張っていきましょう。