九州大学病院のがん診療

腎がん

院内がん登録情報

腎臓がんのステージ(病期)は、がんの大きさや転移の有無などから下記のように分類されます。
 I期→腫瘍は直径7.0cm以下で腎臓内にとどまっており、リンパ節転移や遠隔転移はない。
 Ⅱ期→腫瘍は直径7.0cm以上だが腎臓内にとどまっており、リンパ節転移や遠隔転移はない。
 Ⅲ期→腫瘍は腎臓内にとどまっており、遠隔転移はないが、リンパ節転移がある。もしくは、腫瘍は腎静
    脈に伸びている、または腎臓周囲の脂肪に広がっているが腎筋膜(ゲロタ筋膜)にとどまり、遠
    隔転移はない。
 Ⅳ期→腫瘍は腎筋膜を超えている。もしくは遠隔転移がある。

当院に初診された方の約4/5(85%)が転移のない状態で治療を受けておられ(ステージ別症例数)、近年では他の疾患の検査、健診や人間ドッグで早期に発見されるがんが増えています(ステージ別発見経緯)。

転移が無いステージI、Ⅱ期で発見された方の5年の生存率は90%程度です(Kaplan-Meier生存曲線)。また、転移がある場合でも、薬物療法がよく効いてがんの量が減った患者さんに対して腎臓のがんを摘出する場合があります(ステージ別治療法、ステージⅣ)。

用語解説
病期 : 疾病の経過をその特徴によって区分した時期

腎 2018-2022年症例のうち癌腫のみ(悪性リンパ腫、肉腫等を除く)治療前・UICCステージ

UICCについて集計を行った。
※症例20:自施設で診断され、自施設で初回治療を開始(経過観察も含む)
 症例21:自施設で診断され、自施設で初回治療を継続(経過観察も含む)
 症例30:他施設で診断され、自施設で初回治療を開始(経過観察も含む)
 症例31:他施設で診断され、自施設で初回治療を継続(経過観察も含む)
※図4の生存曲線は全生存率として集計(がん以外の死因も含む)

図1 ステージ別症例数(症例20、21、30、31)

図2 ステージ別発見経緯(症例20、21、30、31)

図3 ステージ別治療法(症例20、21、30、31)※重複あり

図4 Kaplan-Meier生存曲線(腎)