がんセンターについて

部門紹介

希少がんとは

 希少がんは、『罹患率(発生率)が人口10万人当たり6人未満、数が少ないがゆえに診療・受療上の課題が他のがん種に比べて大きいもの』と定義されています。200種類近くの希少がんがあることが知られています。例えば、胃、大腸、乳腺などにできたがんでも珍しい組織型のものも希少がんになります。発生頻度が高い5大がん(胃、大腸、肺、乳腺、肝臓)に代表される主要ながんは、がん診療拠点病院の設置や診療ガイドラインの充実などにより、医療の均てん化が行われてきました。一方、希少がんは、診断・治療の専門性・特殊性が高いものが多く、主要ながんのような均てん化が難しいことが課題となっています。しかし、全国どこにでも希少がんの患者さんはいらっしゃいます。一つ一つの希少がんは稀ですが、全て合わせるとがん全体の約20%が希少がんになります。

 

希少がんセンターとは

【九州大学病院 希少がんセンターのミッション】

●有機的な希少がん診療ネットワークの構築・ハブとして機能

●希少がんの相談窓口設置による支援

●希少がん医療の発展に貢献

●地元で参加できる希少がんの臨床試験の充実

 現在、全国の希少がん患者さんが、住み慣れた地域を軸として納得の行く情報や診療へアクセスできるための情報提供・相談支援、また診療ネットワークを構築するための動きが加速しています。このような希少がん医療体制の充実を目指す上で、地域ごとで拠点となる希少がんセンターの設置は重要です。希少がんセンターは、有機的な地域内外の希少がん診療ネットワークを構築しながら、ハブとして機能することが期待されています。当院では、2020年10月に希少がんセンターを設置いたしました。また、九州・沖縄・山口地区を中心とした西日本の各医療機関との連携を強化するため、準備を行っています。

 さらに、希少がんセンターは診療ネットワークのハブとして機能するだけでなく、各地域の希少がん患者さん、ご家族、医療者の相談窓口の役割を担うことが期待されます。これまでこのような相談窓口を担ってきた代表は、国立がん研究センター中央病院希少がんセンターの希少がんホットラインになります。当院も、希少がんホットラインを設置すべく、国立がん研究センター中央病院希少がんセンターや大阪国際がんセンターなどと意見交換をしながら準備を進めてきました。そしてこの度、2021年5月に希少がんセンター内に希少がんホットラインを開設いたしました。

 希少がん治療の発展は、医療体制の充実とともに必要不可欠です。当院は、希少がんの治療開発を目的にしたMASTERKEYプロジェクトに参加し、積極的に推進しています。本プロジェクトを通じ、当院の希少がんを対象とした臨床試験数、参加される患者さんが増えています。また当院はゲノム医療中核拠点病院であり、がん遺伝子パネル検査に基づく患者申出療養を実施しております。この枠組みで、治療を受けられる希少がん患者さんも増えています。このような近年の傾向がある一方で、臨床試験は実施医療機関が限られているため、例えば関東と比べると、九州や近隣で行われている臨床試験数はまだまだ少ない状況です。九州や近隣を含めると人口は1400万人以上になります。当希少がんセンターは、九州や近隣の患者さんが、地元で参加可能な臨床試験数を増やすことを目指します。

 当院の希少がんセンターは、希少がん患者さんに寄り添いながら、他の医療機関と連携し、希少がん医療の発展に貢献していく所存でございます。引き続きの皆様のご支援、ご協力を何卒よろしくお願い申し上げます。

希少がんホットライン

2021年5月より開設
九州大学病院 希少がんセンター

専任の看護師が、患者さん・ご家族、医療関係者からの 「希少がん」に関するご相談をお受けします。

(ホットラインの利用に関して)
※ ご相談時間をお一人20分とさせていただきます。
※ ご相談は無料ですが、通話料金がかかります。
※ 電話がつながらない場合は、少し時間をおいておかけ直しください。
※ ご相談内容の秘密は厳守します。

MASTER KEYプロジェクトについて