九州大学病院のがん診療
胆道がん
院内がん登録情報
2007年から2018年までに九州大学病院で治療を開始された胆道がんの患者さんは443例で、まず進行度別の患者さんの割合(図1)をみると、2007〜2013年はステージⅠからステージⅢまでは各々20%程、ステージⅣは約40%、2014〜2018年はステージ0が2%、ステージⅠ及びⅡが30%程度、ステージⅢが13%、ステージⅣが27%となっています。治療法をみると、ステージⅠからステージⅢまでは、手術単独での治療または手術に抗がん剤治療を加えて行われることが多くあります。腫瘍が近くのリンパ節へ転移したり、肝臓や膵臓などの周囲臓器、大きな動脈や静脈まで直接広がっているステージⅢまでの患者さんには9割以上に手術または手術と抗がん剤による治療が行われていますが、肝臓や肺などに転移しているステージⅣの場合にはがんを切除するための外科的な手術は行われず、抗がん剤による治療が主に行われています(図3)。最近の胆道がん治療の特徴として、内視鏡的胆道ドレナージを併用しながら抗がん剤の治療が積極的に行われています。図4は胆道がんのステージ別の生存曲線を示しています。
胆道 2007-2013年症例のうち悪性リンパ腫以外治療前・取扱い規約ステージ(胆道癌取扱い規約第5版)
2014年に大きな改訂があったため、第5版と第6版に分けて集計をしている。
※症例2:自施設で診断され、自施設で初回治療を開始(経過観察も含む)
症例3:他施設で診断され、自施設で初回治療を開始(経過観察も含む)
※図4の生存曲線は全生存率として集計(がん以外の死因も含む)
※症例2:自施設で診断され、自施設で初回治療を開始(経過観察も含む)
症例3:他施設で診断され、自施設で初回治療を開始(経過観察も含む)
※図4の生存曲線は全生存率として集計(がん以外の死因も含む)
図3 ステージ別治療法
(症例区分2、3)
胆道 2014-2018年症例のうち悪性リンパ腫以外治療前・取扱い規約ステージ(胆道癌取扱い規約第6版)
図3 ステージ別治療法
(症例区分2、3)
図4 Kaplan-Meier生存曲線
(胆道)