九州大学病院のがん診療

乳がん

診断

1)視触診

まず乳房を観察し、左右差、くぼみや隆起、発赤などがないかを診ます。次に、乳房にしこり(腫瘤)がないか、乳頭からの分泌や出血がないか、わきのリンパ節が腫れてないかを診ます。

2)レントゲン撮影(マンモグラフィ)

マンモグラフィは乳房を装置に挟んで圧迫しX線撮影する検査です。触診では見つからないような小さながんが見つかることがあります。

3)超音波(エコー)

皮膚にゼリーを塗ってプローブをあてて観察する検査で、腹部や婦人科の超音波と同様です。ベッドサイドで手軽に検査でき、数mmの小さなしこりを見つけたり、しこりの性質が詳しくわかるのが最大の特徴で、がんかどうかの診断に大きな一翼を担っています。

4)乳腺のその他の画像検査

しこりががんであるかどうかや、病変の広がりを診断するために、MRICT検査なども有用です。

5)穿刺吸引細胞診と生検(針生検、切除生検)

しこりなどの病変が見つかり、がんの可能性が考えられる場合は、しこりに細い注射針を刺して細胞を吸いとって調べる穿刺吸引細胞診により、80〜90%の場合ではがんかどうかの診断が確定します。さらに多くの情報を得るために太い針を刺してしこりの一部の組織を採取したり(針生検)、しこり全体を切除して組織学的に診断することもあります。

6)遠隔転移の検査

5)で乳がんの診断がついた場合は、乳がんが転移しやすい遠隔臓器である肺、肝臓、骨、リンパ節などを、胸部・腹部のCTや骨のアイソトープ検査(骨シンチグラフィ)、PET-CTなどで検査し、がんの進展具合(病期)を調べます。

乳がんの臨床病期
0期(非浸潤がん) 乳がんが乳管内または小葉内にとどまり周囲に浸潤していないもので、顕微鏡レベルの早期がんです。
Ⅰ期 腫瘍の大きさが2cm以下で、わきの下に硬いリンパ節をふれない早期がんです。
Ⅱ期 腫瘍が2cm以上5cm未満で、わきの下のリンパ節に転移のあるものも含みます。
Ⅲ期 腫瘍が5cm以上で、周辺組織への浸潤やリンパ節転移を伴うものもあります。
Ⅳ期 がんが骨・肺・肝・脳などに転移している進行がんです。
用語解説

超音波:超音波を当て、反射する反射波を画像処理し臓器の状態を調べる検査。
MRI : 強い磁石と磁気を利用して体の内部を検査する機器
CT : コンピュータ断層法。身体の横断断層を撮影する特殊なX線装置
穿刺吸引細胞診 : 細胞診の一種。病変部に直接細い針を刺し、注射器で吸い出した細胞を顕微鏡で観察する
針生検 : 針を用いて肝臓などの体内臓器を穿刺して組織を採取する方法
骨シンチ : 骨に集積する薬剤を静注後、シンチカメラで全身および局所のイメージを撮影する核医学画像検査
病期 : 疾病の経過をその特徴によって区分した時期