九州大学病院のがん診療

頭頸部がん

診断

問診・触診・視診とクリニックにおける耳鼻咽喉科学的な検査で大部分の診断が可能です。

頭頸部癌の症状は?

頭頸部癌の症状は発生部位により異なります。頸部のリンパ節に転移しやすいものが多く、頸部のしこり(リンパ節腫脹)が初発症状のこともまれではありません。

鼻・副鼻腔癌 鼻閉、鼻出血、頬腫脹、複視、眼球突出など
上咽頭癌 難聴(滲出性中耳炎)、鼻閉、鼻出血、複視、頸部リンパ節腫脹など
中咽頭癌 のどの痛み、違和感、嚥下障害、咽頭出血、頸部リンパ節腫脹など
下咽頭癌 のどの痛み、違和感、嚥下障害、嗄声、頸部リンパ節腫脹など
口腔癌 舌のびらん、潰瘍、痛み、構音障害、咀嚼・嚥下困難など
喉頭癌 嗄声、のどの違和感、呼吸困難、頸部リンパ節腫脹など
唾液腺癌 顔面のしこり、顔面の痛み、顔面神経麻痺など
甲状腺癌 前頸部の腫脹、嗄声、嚥下障害など

検査

頭頸部癌の診断は病変から腫瘍組織の一部を採取(生検)し病理診断を得ることで確定します。甲状腺や耳下腺では超音波検査穿刺吸引細胞診検査を行うことで術前の診断を行います。癌と診断がついた場合はCTMRI、FDG-PET検査などを行い癌の局所における進展範囲、頸部や遠隔転移の有無を調べ病期(病気の進行度)の分類を行います。病期によって治療方針が変わるのでこれらの検査は重要です。また前述のごとく上部消化管の重複癌も多いため上部消化管内視鏡検査も必須です。

用語解説

滲出性中耳炎 : 中耳腔に液体の貯留があるが、耳痛、発熱などの急性炎症症状がないもの
顔面神経麻痺 : 顔面神経によって支配されている顔面筋の運動麻痺
超音波検査 : 超音波を当て、反射する反射波を画像処理し臓器の状態を調べる検査
穿刺吸引細胞診 : 細胞診の一種。病変部に直接細い針を刺し、注射器で吸い出した細胞を顕微鏡で観察する
CT : コンピュータ断層法。身体の横断断層を撮影する特殊なX線装置
MRI : 強い磁石と磁気を利用して体の内部を検査する機器
PET : がん細胞だけに集積する検査薬を体内に取り込み専用の装置で体を撮影する画像診断法。
病期 : 疾病の経過をその特徴によって区分した時期
重複癌 : 原発と思われる悪性腫瘍が複数存在すること。