九州大学病院のがん診療

前立腺がん

外科的治療

原則、限局性前立腺がんが治療対象となり、前立腺と精嚢を摘出して、尿道と膀胱を吻合する根治的前立腺摘除術を行います。リンパ節転移へのリスクが高い場合は、骨盤リンパ節の摘出も併せて行います。根治的前立腺摘除術の代表的な合併症として、尿失禁と性機能障害があります。尿失禁に関しては、数ヶ月から1年後には、ほとんど改善します。性機能に関しては、リスク分類に応じて、勃起に関する神経を温存する手術方法の選択が可能ですが、完全な性機能の温存は困難です。手術法として従来から行われている開放手術の他に、当科では、新しい低侵襲治療として、手術支援ロボット(ダヴィンチ)による手術を積極的に行っています。この手術支援ロボット手術は開放手術より出血が少なく、創が小さくてすみ、2012年4月から保険適応となりました。

根治的前立腺摘除術後はPSA値を定期的に測定して、がんの再発がないかチェックしていきます。術後PSA値が0.1ng/ml未満になれば完治したと判断し、0.2ng/mlを超えたら再発と判断して放射線治療かホルモン療法を追加治療として行います。九州大学泌尿器科においては術後5年の再発率は、リスク分類によって大きく異なりますが、全体では約20-30%と良好な成績です。

用語解説

低侵襲  : 身体にかかる負担が少ない
PSA : 前立腺特異抗原。腫瘍マーカーとして用いられる