九州大学病院のがん診療

前立腺がん

放射線治療

当院で施行している下記の方法に加え、重粒子線治療などの粒子線治療や密封小線源療法(組織内照射法)があります。いずれも副作用として、頻便や排便痛、出血、頻尿や排尿痛などがありますが、重篤なものは少ないです。

 

外照射療法

体外から前立腺に放射線を照射します。現在は、強度変調放射線治療(Intensity Modulated Radiotherapy:IMRT)という高精放射線治療を標準治療としています。総線量72-76Gyの照射を行い、さらなる局所コントロール率の向上、直腸・肛門等に対する消化管毒性の低減が可能となってきています。一般的には週5回で7週間前後を要し、外来通院治療が可能です。

アイソトープ治療

放射線を放出するお薬を定期的に注射し、体内から放射線治療を行います。ホルモン治療が効かなくなり、骨に転移がある患者さんに対して、ラジウム-223治療により、骨転移による痛みの緩和や生存期間の延長効果が示されています。一般的にホルモン療法などの併用が必要です。

用語解説

重粒子線治療 : 重粒子線を使い、がん細胞だけを集中して照射する治療。
強度変調放射線治療 : 腫瘍の形状に合わせた線量分布を形成することで、正常組織の被ばく線量をより低減し腫瘍部分に集中的に照射することができる照射方法