九州大学病院のがん診療

膀胱がん

診断

検尿

尿の色を確認し、糖分、蛋白、赤血球、白血球といった成分を調べる検査です。尿中に赤血球が一定以上あることを血尿と言います。

膀胱鏡検査

尿道から内視鏡を入れ、尿道や膀胱を観察します。図1が典型的な筋層非浸潤性(表在性)の膀胱がんの写真です。最近では、狭帯域光観察(Narrow band imaging:NBI)という画像を強調する観察技術を用いてこれまで見逃されやすかった小さな病気もより確実に発見できるようになりました(図2)。

尿細胞診

検尿で採取した尿の中に異常な細胞がないか顕微鏡で調べます。

ウロビジョン

膀胱上皮内がんと診断され治療した後の、再発の診断補助としての遺伝子検査です。未治療の膀胱がん診断には保険適用がありません。

静脈性腎盂造影(IVP)

腎臓から排泄される造影剤を静脈に注射し、腎臓、尿管および膀胱のX線像を連続的に撮影します。造影剤が、腎臓、尿管、膀胱を通過する際に、X線像で異常を示さないか検査します。

CTスキャン

いろいろな角度から体内の詳細な像をコンピューター断層撮影法によって撮影します。膀胱のみならず、リンパ節や他の臓器の転移の有無も併せて検査できます。

MRI

磁気によって断層撮影を行う方法で、特に膀胱がんの深さや近接リンパ節転移の有無の診断に有用です。

骨シンチ

骨で代謝される薬を注射して、進行癌の患者さんにおいて骨転移の有無を検査します。

用語解説
静脈性腎盂造影 : 腎盂像の描出を目的として行われるX線検査の一つ
CT : コンピュータ断層法。身体の横断断層を撮影する特殊なX線装置
MRI : 強い磁石と磁気を利用して体の内部を検査する機器
骨シンチ : 骨に集積する薬剤を静注後、シンチカメラで全身および局所のイメージを撮影する核医学画像検査