九州大学病院のがん診療

膀胱がん

外科的治療

経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)

麻酔下に膀胱鏡を尿道から膀胱内に挿入し、内視鏡で見ながら先端に小さな切除ループのついた器具でがんを切除します。筋層非浸潤性がんの場合、病態によってはTURBTでがんを完全に切除できることもあります。しかし、筋層非浸潤性がんは約半数が膀胱内に再発するという特徴があり、再発の予防目的に膀胱内に抗がん剤やBCGを注入する膀胱内注入療法が実施されることがあります(後述の内科的治療を参照下さい)。また組織検査の結果、高リスク筋層非浸潤性膀胱がんと判断された場合には、もう一度TURBT(2nd TUR)を行うことがガイドラインでも推奨されています。また最近になり、肉眼的には見落としやすいがんを蛍光膀胱鏡にて可視化する光力学診断(PDD)を併用したTURBTが保険適用となり、当院でも実際に行っています。一方、TURBTにて筋層浸潤性がんが見つかった場合はTURBTのみでは不十分であり、後述の膀胱全摘除術などの拡大治療が必要になります。

膀胱がんに対する光力学診断(PDD)

膀胱全摘除術

がんが膀胱の筋肉層まで広がっている場合の標準治療です。膀胱および骨盤部のリンパ節、隣接器官を摘出する手術です。従来行ってきた開腹手術に代わり、腹腔鏡手術が導入され患者さんの身体への負担が軽減されてきました。さらに2018年4月からロボット支援手術が保険適応となり、現在では膀胱全摘除のほとんどをロボット支援手術にて行っております。

膀胱を摘出後には、尿を体外に排泄するために別の経路をつくります(尿路変向術)。回腸導管は、小腸を約20cm切除し、尿管を縫い付け、出口をストーマとして体外へ出し、集尿袋をつけて尿を出します(下、左図)。新膀胱は、小腸を切開し袋状に縫った後、尿管をつなぎ、さらに足側を尿道に吻合し尿道から排尿する方法です(下、右図)。

また、治癒の可能性を高めるために手術前後に抗がん剤による化学療法を行うこともあります。

用語解説

BCG : 結核予防用のワクチン
ストーマ : 便や尿の排泄のため、腹部に作られる排泄口
化学療法 : 化学物質によってがんや細菌その他の病原体を殺すか、その発育を抑制して病気を治療する方法