九州大学病院のがん診療

膵がん

診断

はじめに述べたように膵がんは診断が難しい病気であり、他の病気との区別がつきにくい場合も多いため、通常複数の検査を組み合わせて診断を行います。検査手順や行うことが可能な検査は施設間で多少の差異はあるものの、今日我が国では、日本膵臓学会「科学的根拠に基づく膵癌診療ガイドライン」2016年版の中に掲載されている膵癌診断の手順(アルゴリズム)に準じて検査が進められます。

膵癌診断のアルゴリズムに記載の通り、腹痛・背部痛、黄疸、体重減少などの症状や血液検査、腹部超音波検査US)によるスクリーニングから膵がんが疑われた場合には詳しい画像検査を行います。画像検査として造影コンピュータ断層撮影(CT)、造影磁気共鳴画像(MRI)・磁気共鳴胆管膵管画像(MRCP)、超音波内視鏡検査(EUS)、内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)、ポジトロン断層撮影(FDG-PET)が用いられます。これらの結果より総合的に画像診断がなされます。さらにERCPやEUSを用いて腫瘍から細胞や組織を採取し病理検査を行います。これは膵がんの診断確定に極めて重要ですが、一定の侵襲が伴う検査であるため、当院では高度の専門技術を有する医師に限定して行われるシステムが確立しています。

当院ではアルゴリズムに示された全検査の施行が可能であり、内科・外科をはじめとした膵がん治療に従事する全専門科が連携し、個々の患者さんに必要な検査を見定め、安全に診断を進めていきます。

用語解説
超音波検査 : 超音波を当て、反射する反射波を画像処理し臓器の状態を調べる検査
US : 超音波検査。超音波を当て、反射する反射波を画像処理し臓器の状態を調べる検査
CT : コンピュータ断層法。身体の横断断層を撮影する特殊なX線装置
MRI : 強い磁石と磁気を利用して体の内部を検査する機器
MRCP : 磁気共鳴胆管膵管造影。MRI検査法のひとつで、造影剤を使わずに膵管・胆管などを強調して撮影する方法
超音波内視鏡 : 超音波診断装置を伴った内視鏡
EUS : 超音波内視鏡。超音波診断装置を伴った内視鏡
ERCP : 内視鏡的逆行性膵胆管造影法