九州大学病院のがん診療

甲状腺がん

内科的治療

手術や放射性ヨウ素治療の適応とならない根治切除不能な甲状腺がんに対しては、飲み薬の抗がん剤治療を検討します。分子標的薬と呼ばれるタイプの抗がん剤になります。
代表的な薬として、レンバチニブやソラフェニブという分子標的薬があります。また、バンデタニブという薬は甲状腺髄様癌で使用可能です。
近年、がんの遺伝子検査を行うことが可能となっています。RETやNTRKという遺伝子などに異常が見つかった場合は、その遺伝子を標的とした分子標的薬も使用可能となっています。薬それぞれは、薬の効果と安全性を検討する臨床試験の結果を受けて保険承認されています。一方、実際の使用にあたっては、薬それぞれで生じやすい副作用も考慮した上で検討されます。また、がんの遺伝子検査も複数種類あり、行える回数も決まっています。

用語解説

分子標的薬 : 癌に関与する遺伝子や遺伝子産物を標的とした薬剤による治療法。