九州大学病院のがん診療

皮膚がん

放射線治療

基底細胞がん、有棘細胞がん、メルケル細胞がんなどで、年齢や合併症のため手術が困難な場合などに、放射線治療が選択されることがあります。また手術を行ったあとでも、切除部の周囲やリンパ節からの再発を予防するために、放射線治療を行うことがあります。血管肉腫は腫瘍がごく小さい場合以外では手術は行わず、化学療法と放射線治療を併用して治療を行います。放射線治療を受けると、照射部に皮膚炎や脱毛、粘膜炎を起こすことがあります。悪性黒色腫では、初発の腫瘍の治療のために放射線治療を行うことは通常ありませんが、脳転移に対する定位放射線療法、骨転移の疼痛に対する緩和的放射線療法では、高い症状改善効果があります。

用語解説

肉腫 : 悪性腫瘍のうち、線維、血管、骨、軟骨、筋肉、造血組織などから発生するもの
化学療法 : 化学物質によってがんや細菌その他の病原体を殺すか、その発育を抑制して病気を治療する方法
悪性黒色腫 : 色素細胞(メラノサイト)の癌化によって生じる悪性腫瘍
定位放射線療法 : 治療用の放射線を多方向から病巣に対して集中し、正常組織の障害を少なくした放射線の治療方法。